「コミュニティ・スクール」運営開始?!

~公立小・中の1割に!?~

文部科学省は、2016(平成28)年度までの5年間で、全公立小・中学校の1割(約3,000校)を、保護者や地域住民も学校運営に参画できる「コミュニティ・スクール」(学校運営協議会制度)にするという数値目標(外部のPDFにリンク)を掲げました。

果たして、実現はできるのでしょうか。

文科省の調査によると、今年4月現在で全国789校がコミュニティ・スクールに指定されています。前年度に比べると、25%(160校)の増加です。設置自治体も、17市区町村増の2県99市区町村に拡大しました。

過去5年間の増加ペースを見ると、年間約150校になると想定されます。

このままのペースが続けば、2016(平成28)年度には1,500校を超える計算です。 しかし文科省は、その3倍のペースアップ(年間約450校増)を図ることによって、「1割」の目標を達成しようとしています。

鈴木寛副大臣は、指定のあるなしにかかわらず、すべての学校を、広い意味で地域が支えるコミュニティ・スクールにするべきだとの考えを示しました。

ただ、コミュニティ・スクールはあくまで、教育委員会が指定するものとなります。肝心の学校や教委がメリットを感じなければ、増えるものではありません。

現在でも、京都市が171校、岡山市が90校など、指定する自治体に偏りがあることは否めませんし、中には指定をやめてしまった自治体もあります。 有識者会議も、先頃まとめた報告書の中で、地域の多様性を尊重すべきであり、割り当て制のような形はふさわしくないとしています。見直しが始まった教育振興基本計画も含めて、今後どのような具体的支援策を国が打ち出せるかが課題となるでしょう。

そもそも、コミュニティ・スクールとはどういうものか、指定された学校や地域以外には知られていないという問題もあります。

日本PTA全国協議会(日P)の調査によると、コミュニティ・スクールを知らない小・中学生の保護者は92%に上っています。報告書も、「コミュニティ・スクールそのものの知名度が低い」と認めています。

しかし、東日本大震災でも浮き彫りになったように、学校と地域の結び付きを深めることは極めて重要な課題になります。

学校運営協議会ではないが、「学校支援地域本部」を置いていた宮城県内の学校(外部のPDFにリンク)では、避難所の自治組織や学校の再開もスムーズにできたという報告もあります。

「新しい公共型学校(外部のPDFにリンク)」と呼ぶにせよ、「地域とともにある学校(外部のPDFにリンク)」と呼ぶにせよ、また、学校運営協議会を置くかどうかにかかわらず、実質的に学校を「地域コミュニティの拠点」とすることが求められています。