クラス替えで問題行動も減少!?

~少人数学級の意外な効果~

学級定員を引き下げて少人数学級にすることで、子どもの学力が向上したり、「小1プロブレム」などの問題行動が減少したりすることは、さまざまな研究のデータでわかっています。ところが、少人数学級には、もう一つ別のメリットがあることが、国立教育政策研究所の調査研究(外部のPDFにリンク)で明らかになりました。その効果とは、「クラス替え」です。


子どものころ、仲の良い友達と一緒になれるかどうかなど、進級の際のクラス替えにドキドキした経験がある人は多いと思います。しかし、最近では少子化による子ども人口の減少により、小・中学校では1学年1~2クラスという学校も珍しくなくなっています。入学から卒業まで全員同じクラスというのは、和気あいあいとして良いことのようにも感じられます。しかし実際には、同じ顔ぶれでずっと過ごすというのは、子どもたちにとってもストレスが大きいことがわかってきました。

そこで同研究所は、自治体独自の予算で中学校に「33以下人学級」を導入した地域を対象に、学級規模と人間関係によるトラブルの解決状況を調査しました(対象はいずれも第2学年)。少人数学級導入前、学年当たり2~4学級規模(1クラス平均36.0人)の中学校のトラブル解決率は64.6%でしたが、導入後は、同じ2~4学級規模(同29.3人)でも、解決率は78.9%と上がりました。

さらに、学年当たり2~4学級規模(同37.0人)の中学校を5~6学級規模(同28.5人)にしたところ、解決率は59.6%から92.0%に急上昇しました。学年当たり5~7学級規模(同37.0人)の中学校を、5~9学級規模(同30.8人)にした中学校の解決率も、69.1%から90.7%に上がりましたが、解決率は5~6学級規模の学校よりも、やや低くなっています。つまり、1クラスの平均人数が36~37人から28~30人程度に減れば、人間関係によるトラブルの解決率は上がり、学年当たり5クラス以上あれば、人間関係によるトラブルの9割は解決できる、という結果になります。

ここで注目されるのは、単純に1クラスの平均人数を減らしただけの中学校よりも、学年当たりの学級数が増えた中学校のほうが、トラブルの解決率が高いという部分です。同研究所は「少人数学級編制を行うことで解決率が上がることとともに、学級数が多い学校ほど解決率が上がることが示された」と分析しています。

一般的に少人数学級の効果としては、1クラス当たりの人数を減らすことで、学習指導や生徒指導などで教員の目が届くようになるということが強調されます。しかし、1クラス当たりの人数を減らして学級数を増やせば、クラス替えの効果が高まるというメリットがあることを、同研究所の調査は裏付けられています。

現代の子どもたちの人間関係は、大人が想像するよりもはるかに複雑となっています。効果的なクラス替えができるということは、子どもたちにとって、実は最大のメリットと言えるかもしれません。