日本の子供に足りない?!「PISA型学力」

~ 「話しあってみよう」「考えてみよう」「自分のことばで伝えよう」「説明してみよう」~

日本の児童生徒が国際的に弱いとされる、知識や経験を活用しながら自分の考えや思考内容を筋道立てて表現する「PISA型学力」。来春からの教科書では児童生徒の考察を表現させた欄を大幅に増やす趣向がこらされています。中には、実験に基づき科学的な物の見方をしっかり定着させるためあえて専用ノートを作成、理科教科書と一体で検定合格させた今までにない取り組みも出てきました。児童生徒の学力低下が嘆かれて約10年。「PISA型学力」の巻き返しに向けて随所に工夫を重ねた教科書はこの夏、全国の教育委員会で採択されています。

この春、教科書検定に合格した教科書は、これまでよりも大幅にボリュームアップしました。指導要領が「学力向上」路線に転じたこともあり、発展学習などを大幅に取り込むなど内容面の充実が図られました。とりわけ目立つのが「PISA型学力」の向上に向け、理数系教科書で児童生徒の考察を促すコーナーが大幅に増えたことです。

なかでも、啓林館は理科の教科書と専用ノートを一体化させて検定合格をしました。専用ノートには普段の授業の狙いや必要なスキルを身につけるポイント整理や基本のチェック、考察の自由記述欄や演習問題などを盛り込んでいます。教科書とセットで授業に使い、自学自習にも使える、今までに例のない教科書となっています。

同社では「現状指摘される理科授業の問題点はまず黒板の丸写しに終わること。もうひとつは実験はやるが、考察を経ずにやりっ放しで終わること。いずれも科学的な物の見方に結びつかない」と指摘しています。「この教科書は教育現場に授業改革をうながすとともに、生徒にも科学的な考察作業を課しており、PISA型学力の向上という日本の課題解決に向けた私たちなりの提案だ」と胸を張っています。

「PISA型学力」とは、学習した知識や経験を活用して筋道立てた考察ができるか、必要な情報を選びながら考え方を積極的に説明・表現する力。学校のカリキュラムを漏れなく習得する学力とは少し趣が異なり、OECD(経済協力開発機構)の国際学習到達度調査(PISA)で試されます。

国際調査から日本の生徒は学習意欲が著しく低く、選択式問題はともかく自由回答や論述形式の設問に極端に弱いことなどが問題点として浮上。日本の教育関係者に大きな衝撃を与えたことから「PISAショック」とも呼ばれています。ゆとり教育の誤りが決定的となり、学力向上に向けた指導要領の改定や教科書の充実などが進められています。