公立小・中の土曜授業実施?!

~授業時間数不足という課題~

学力向上を強く意識した新しい学習指導要領では、教育内容が増え、各学校は十分な授業時間数をどうやって確保するか苦慮している。そんな中、東京都内の公立小・中学校の約3割が、月1回以上「土曜日授業」を実施していることが、東京都教育委員会の調査でわかった。公立学校は現在、原則として完全学校週5日制となっているが、今後、授業時間数の不足を背景に、土曜日授業を実施する学校が増えることが予想される。

東京都教委は2010(平成22)年1月、学校と地域の連携など「開かれた学校づくり」を目的に、保護者や地域住民に授業公開するなどの条件付きで、「月2回」まで、土曜日授業の実施を認める方針を打ち出している。

調査結果によると、2011(平成23)年度に土曜日授業を実施している都内の公立学校は、「月1回程度」が小学校20.6%、中学校21.4%、「月1~2回程度」が各10.6%、8.5%、「月2回程度」が各1.4%、1.8%となっており、合計すると小学校の32.6%、中学校の31.7%が、月1回以上の土曜日授業をしている計算になる。2010(平成22)年度に月1回以上の土曜日授業をしていたのは、小学校が9.5%、中学校が11.8%だったので、いずれも約3倍程度増えたことになる。

土曜日授業を行う学校が今春から増加した理由としては、小学校で新学習指導要領が全面実施に入ったこと、中学校でも理科や数学の授業時間数を増やしたこと、そして、それぞれの学校を所管する区市町村教委が、都教委の方針を受けて、土曜日授業の導入指針を決定したことも大きいようだ。調査によると、62区市町村教委のうち、45.2%に当たる28区市町村教委が土曜日授業実施の基準を策定しており、そのうち19区市村教委が、全部の公立小・中学校で土曜日授業を導入している。

ただ、新学習指導要領の実施による授業時間数の不足は、全国共通の課題である。中学校が全面実施に入る2012(平成24)年度には、全国的にも、土曜日授業を実施する学校が増える可能性がある。既に栃木県教委は、東京都と同様に「月2回」まで公立小・中学校の土曜日授業を認めるという基準を策定している。今秋ごろから年末にかけて、どの程度の教育委員会が追随する動きを見せるのか、注目されるところだ。

このほか、原発事故に伴う電力不足のため節電を迫られる学校では、夏場にエアコンが使えなくなるという事情も見逃せない。夏休みを短縮して授業時間数を増やすという計画を立てていた教育委員会にも、見直しの動きがある。猛暑と電力不足が続けば、さらに土曜日授業が広がるかもしれない。

学習内容の量が多くなったことで、必然的に生徒の学習時間も増える。学校の対応によって、生徒の理解度は変わってくるだろう。