高校中退しても3割が再び学校へ

~内閣府調査~

高校中退者のうち、約3割が定時制や通信制の高校などに入学していることが、内閣府の調査でわかった。約6割は現在働いていると回答しましたが、その多くはいわゆるフリーターとなっている。

文部科学省の調べでは、2009(平成21)年度の高校中退者は約5万7,000人で、高校生全体の1.7%となっている。高校中退は大きな問題ですが、中退すると学校と関係が切れるため、これまで高校中退後の状況を調べた調査はあまりなかった。

内閣府の調査によると、中退者の現在の状況(複数回答)は、「働いている」が56.2%、「在学中」が30.8%、「仕事を探している」が13.6%、「家事・家事手伝いをしている」が11.0%などとなっており、約3割の者が学校に戻っている。「在学中」の内訳(複数回答)を見ると、「通信制高校」が49.7%、「全日制・定時制高校」が33.1%、「大学」が10.8%などとなっている。

このうち定時制高校は、少子化により高校生全体が減少する傾向にある中でも、生徒数が増加している。通信制高校と定時制高校が高校中退者の大きな受け皿となっている実態が、調査結果からうかがえる。現在では、通信制高校で高卒資格を得ることを支援する民間の「サポート校」も増えており、これも通信制高校生の増加に拍車を掛けているようだ。

高校を中退した理由(複数回答)は、「欠席や欠時がたまって進級できそうもなかった」が54.9%、「校則など校風があわなかった」52.0%、「勉強がわからなかった」48.6%、「人間関係がうまくいかなかった」46.3%など。中退時点での見通しは、「アルバイトとして働く」35.9%、「別の高校に再入学する」23.6%、「正社員として働く」11.1%などだった。

しかし、調査時点での「3年後の自分の姿を想像した今後の進路希望」は、「正社員として働きたい」が35.9%、「大学に進学したい」が12.9%、「まだどうしていいかわからない」が11.5%、「専門学校に入学したい」が10.1%などとなっており、正社員として就職したり、大学に進学したりしたいという希望が増えた。

ただし、「仕事をしている」者の内訳(複数回答)を見ると、「フリーター・パートなど」が77.2%と大半を占め、「正社員・正職員」は17.1%にすぎなかった。内閣府は、高校中退者が社会人や職業人としてきちんとキャリア形成できるよう、支援を充実させるほか、職業訓練と教室での授業を併せて行う新しい高校教育システムの導入、高校における職業教育の充実などを求めている。

義務教育ではない高校を中退したあとの進路は「自己責任」である、という見方もできるかもしれない。しかし、中退者が正社員として働くことは、困難な場合が多いのも事実だ。進路に迷った10代の子どもたちが、円滑に職業生活に移行してキャリア形成していけるような支援や、中退してもやり直しができるような、高校教育の改革が必要だろう。