「新学習指導要領」についてのアンケート調査結果

~小中学校lの校長の多くが学力格差拡大を懸念~

ベネッセ教育研究開発センターのアンケート調査により、小中学校の校長の6~7割が、11年度からの新学習指導要領の全面実施に伴い、児童・生徒の学力格差が拡大すると懸念していることが分かった。
子供たちが、学習量の増加にうまく対応できないのではないかと考えているようだ。

同社は、97年から数年おきに全国の小中学校の校長と教員を対象にした「学習指導基本調査」を実施しており、今回で5回目となる。今回は昨年8~9月、校長1133人、教員5515人を対象に、新学習指導要領への対応状況などについて調査した。

学力格差が拡大する可能性については、小学校校長の71%、中学校校長の64%が「とても不安」または「やや不安」と回答した。
一方、学習量が1割程度増加することへの対応策をいくつか選択肢を挙げて聞いたところ、小学校教員の55%、中学校教員の35%が「全体的に授業の進度を速める」と答えた。同社は「ついていけない児童生徒が増えることへの懸念があるのでは」と分析している。

調査からは「学力低下」に対する批判を背景に、学校現場が“学力重視”に回帰する傾向も浮き上がった。

例えば、教師の指導観を探るため
①自発的に学習する意欲や習慣を身につけさせること
②たとえ強制してでもとにかく学習させること
の2つのうち、児童・生徒に対して重視するほうを選んでもらったところ、②の「強制学習」を選択したのは、小学校の教員が98年調査の12%から27%に、中学校の教員が97年調査の18%から35%に増えた。

また、中学校の教育目標に「学力向上」や「学力定着」という言葉がある小学校は02年調査の21%から42%に、中学校は、25%から36%に増加した。調査・分析メンバーであるお茶の水女子大副学長の耳塚寛明は「全体として子供中心主義が衰退しているようだ」と話している。