日本の教育改革について

~どうなる日本の教育~

昨今、政治主導で目まぐるしく展開される教育改革ですが、全国の公立小中学校の校長を対象に聞いたところ、回答者の85%が「速すぎて現場がついていけない」と感じていると発表されました。
この調査は東大の基礎学力研究開発センターが実施し、教育基本法改正案には66%が反対しており、「教育問題を政治化しすぎ」も67%に達しているようです。政治主導の教育改革への不安がにじみ出た結果といえるでしょう。
2002年度からの「ゆとり教育」で授業時間数と教科内容が削減されましたが、学力低下の批判を浴び、文科省は学習指導要領の範囲を超える「発展的内容」の記述を認めるなど徐々に方針を修正してきました。
04年には国際的な学力調査で低下傾向が判明すると、「ゆとり教育」へのしっかりした検証作業もしないまま、「学力重視」に再びかじ切りをはじめるなど、調査結果はこうした場当たり的な国の方針で振り回される現場の反発だとも言えるのではないでしょうか。
深刻なのは「学校の直面する問題に対応していない」という声が多く寄せられていること。
つまりは教育改革が現場で機能していないということです。
続発するいじめ自殺によって、図らずもそれが裏付けられた格好となっています。
「公教育の立て直し」を訴える安倍首相は官邸主導で教育改革を進める教育再生会議を発足させました。
中教審が既に打ち出している教員免許更新制や学校評価制など制度改革を優先的に議論し、来年1月には中間報告をまとめる方針だが、これも性急すぎるような気もします。
保護者に利用券(バウチャー)を与え、学校を自由に選択できるバウチャー制度なども論議される見込みですが、調査では将来の教育格差の広がりを心配する声が根強いようです。
今、日本の抱える教育課題は、いじめ、不登校、学級崩壊など学力よりも大事な子どもたちの心の荒廃という根幹の部分であると思います。そこに手を入れずに、制度をいじって競争原理ばかりを持ち込んだら、混乱が広がるだけではないでしょうか。
調査で家庭の教育力低下を指摘する意見も際立っていたようですが、これは家庭に責任を押しつけたようにも映りますが、否めない事実でもあります。
まずは教育現場の不安や危機感を家庭も理解し、教育現場に任せるだけではなく双方が協力して解決していくべきではないでしょうか。
この先、制度改革に偏った教育改革だけでは日本の教育は行き詰まっていくような気がします。